不死鳥の騎士団は、ロンドン、グリモールド・プレイス12番地にある。打ち捨てられた廃屋の気配のする家で、
シリウス・ブラックが自分の生家を本部に提供したのだ。玄関ホールでは、永久粘着呪文で貼付けられた、等身大の
ブラック夫人の肖像画が叫び声をあげている。銀のドア・ノッカーからテーブルに置かれた燭台まで、あらゆるものが蛇の形をしており、壁には屋敷しもべ妖精の首の剥製や、由緒正しきブラック家の長い長い家系図のタペストリーがかけられている。長年誰も住んでいなかったので(屋敷しもべの
クリーチャーは住んでいたが)、家の中は荒れており、あちこちに害虫や小妖精が潜んでいる。騎士団のメンバーは、玄関ホールでひそひそ話をしたり、厨房で秘密の会議を開いたりする。